勤政殿の基壇
解說: こちらはクンジョンジョン(勤政殿)のウォルデ(月台)の上です。日本国王使一行が、こわごわ入って来て,広場の西南の方に席を取って座ります。クンジョンジョンの建物の中を眺めながら対話を交わします。
副使:王様はどこから出て来られるのでございましょうか?
正使: 朝鮮の王様は地面を踏まないと言うから、お籠にでも乗って現われるのではないかのう。
副使:ところで、あの屏風(びょうぶ)がお見えになりまするか?
正使: うん?
副使:まん中に出入り口があるようでございますが、まさかあの後ろからお出になったりはなさらぬでございましょう?!
解說:その通りです!イロル・オボンビョン(日月五峰屏)という
屏風の下の扉があいて,裏手から王様が現われられました。
王様がいらっしゃる所にはどこにでも携帯用のイロル・オボンビョンの屏風を持って行きました。今もそうです。韓国の1万ウォン札の表側に
セジョン(世宗)大王の絵がありますが、その裏側にもこの 絵が描かれています。セジョン(世宗)大王は韓国の文字、「ハングル」を作られた王様です。日本国王使一行が訪ねて来た1404年、セジョン大王は、テジョン王の三番目の王子で、本来は王位継承者ではありませんでした。しかし、1418年、王位に就き、1446年、ハングルを発表し広めたのです。そのすべての催し物が こちら、クンジョンジョンで行われました。王様が席に着かれると クンジョンジョンの両側に置かれた香炉に香をたき上げます。 日本国王使一行たちは 広場から手をついて礼をし、ウォルデの西側階段から上がって
国書を捧げた後(のち)、また西側階段をつかって降ります。朝鮮の王様はいつも道の中央を通られると申し上げたのを憶えていますか?クンジョンジョンの階段の中央は傾いた石版です。そこをあるいたら滑ると思いますが・・・・ 王様はどのようにしてこの上を通られたんでしょうか? 答は 「籠(かご)」です。